高松中学校校歌の歌詞について

高松中学校校歌1番の歌詞の最後は「いそしむ健児一千余」です。
ところが、校歌制定当初は「いそしむ健児六百余」だったのではないかと思わせる記述を見つけました。

確かに、高中校歌が制定された大正4年の高中の定員は600人なので、「いそしむ健児六百余」というのは辻褄が合っているようにも思えます。
しかし、「いそしむ健児六百余」というのは語調がやや悪いように思います。
また、他の箇所の格調高い歌詞を考慮すると、現在の定員数をそのまま歌詞にしたとは思えません。

作詞者の藤井先生は、大勢の生徒が学んでいるということの美称として「一千余」という言葉を使ったのではないでしょうか。
それを、当時の生徒たちが替え歌的に「六百余」と歌ったのだと思われます。

「・・いそしむ健児六百余!」

     小野嘉明(「玉翠18号」より)

香川大学教育学部という職場に発生した高中出身の教官と高高出身の学生が結んだ「玉藻会」。新入生の歓迎会と卒業生の送別会が年中行事の主なものだが、春秋の好日、ピクニックもやる。
「・・いそしむ健児六百余!」
調子っ外れの大声で歌えるのも、この歓迎会や送別会における最年長のわたくしの特権といえよう。
「六百余!」につづいて、間髪を入れず、「七百余!」「八百余!」「一千余!」が続出する。
そしておしまいには、歌詞は同じだがメロディの異なる「朝日輝く・・」が出て、さらに、現在の高松高校の校歌が流れてくる。
わたくしは、会のこの刹那いつも、しみじみ時の推移を実感する。いまに、「六百余!」「七百余!」も、この会から忘れ去ってしまうであろう。