著名な桐生市の大川美術館の大川英二館長がこういって嘆く。
 「日本人は美術展を一度見に来たら二度と来ない。
 時々電話で『いま何をやっていますか』ときいてくるので『○○展です』というと『それならこの間見ました。次はいつから変わるんですか』ときく。
 映画や演劇は感動を受けたものは、一再ならず繰返し見に行く人がいるというのに、美術館ではいくらいい企画展をやっていても、二度は見に来ないという。
 一度見たからといってすぺてが理解できるわけでもないのに。

 このところ美術館の入館者がどこも激減しており、唯一黒字といわれた倉敷の大原美術館でさえも年間百万人を数えた入場者が半減、採算性は著しく悪化しているそうです。他 は推して知るべしです。
 これには長引く不況と美術館の入場料の高いことがあるかも知れません。
 しかし一方では美術品を金儲けに使うことに対する強い抵抗があることも事実です。現に、大英美術館やナショナルミュジアムなどは無料だし、ルーブル美術館も土・日は無料で開放しています。
 これは一国の文明の代表的著物である美術品を内外に展示、PRすることがその国の国立美術館や博物館の本来の使命や役割の一つだという認識があるからでしょう。
 いま日本では長い不況のせいでどこの美術館でも予算が削られ、民間の美術館も次々と閉鎖や閉館に追い込まれており、美術界は厳しい冬の時代に在ります。

 まだ当会では活動らしい活動は何もしておりませんが、今後の運営についてよく話し合って行きたいと思っています。

 そこで一つお願いがあります。
 それは当会のネーミングについてであります。「東京玉翠会美術同好会」ではいかにも長すぎるし、親しみもありません。
 頭のいい皆さんからお知恵を拝借して、美術同好会に相応しいネーミングをお願いしたいのです。
 いい発想がありましたら、どうかご連絡ください。

昭和20年高中50回卒 中村 文俊

追記
 『東京玉翠美術愛好会』は『讃美会』と名称を改めました。