井上さんは、共訳で、ボーヴォワールの「第2の性」の新訳を出版した。
ボーヴォワールの「第2の性」の書き出しは「人は女に生まれない、女になるのだ」として有名である。
しかし、この部分は、原書では、全2巻のうち、2巻の書き出しにある。
つまり、旧訳(新潮文庫・全5巻)は、原書とは構成を変えているのである。
また、旧訳では、閉経を「雌の屈辱から解放される」と訳し、あたかも母性を否定しているかのように読めるところもあった。
そこで、大学教授、翻訳家など12人の女性グループが、原著どおりの構成に戻し、女性の立場から表現にも気を使って、新訳を出版した。
新潮社・全2館(1巻3000円、2巻4400円)
例えば、新訳では、先の「雌の屈辱から解放される」は、「雌であることによるさまざまな拘束から解放される」と変わっている。
井上さんは、全巻の翻訳に関与し、また第1巻の監訳者となっている。