文化国家とは経済大国でも世界一美しい国でもない。飢え死する人がなく、最低の医療や教育等を保障する国家であろう。日本もその仲間入りを志していたが、いつしかあらゆる面で格差が蔓延するようになった。

くしくも、当原稿を草稿中に東海玉翠会第2回総会へ出席する機会を得た。
会長の挨拶や事務局長から会の運営上での格差が言及された。
東京及び関西玉翠会以外の他支部では、個人情報保護法の観点から新会員の動向すらつかめず、登録会員数とは裏腹に一割にも満たない総会出席・会費納入数(東京玉翠会や関西玉翠会では毎年数百~千人以上、他の3支部では50名前後)が共通の問題点として指摘された。

格差の要因(物理・経済・情報技術・精神的)を縮めると期待された現代情報技術(IT、Information Technology)にも他の要因が影響し、格差をさらに大きくしている。
昨年徳島玉翠会でもホームページを開設したが、利用者は一割程度で、これに関するアンケート(一割程度の回答)で半数以上が興味ないと答えている。

このような環境の中、玉翠会全体として文化的国家に相応しい同窓会とするための解決策として、玉翠会支部間でITを駆使し、前述格差を生む諸種要因の中でも、精神的格差を縮める啓発や個人情報保護法の正しい理解(会員間ではメアドの自由な交換の合意など)を啓蒙すると、その結果会員の動向が円滑に交換され、「郷里へ帰ろう」運動も生きるのではと考える昨今です。

東京玉翠会の26回総会に当たり、この機会に当課題に取り組み、地方支部を種々の面で支えていただき、東京玉翠会のさらなる発展を期待します。

徳島玉翠会会長 太田 房雄 (徳島大学名誉教授、昭和36年卒)