岡山玉翠会会長
太田武夫(昭和32年卒)


今年は東日本大震災、津波、原発事故、それに続く各種被害という、我が国の歴史にその悲惨さを残す大厄年としとなりました。本会会員の方々にも何らかの悪影響を受けられた方がおいでになるかとお見舞い申し上げます。
外国からも寄せられた「がんばれ日本」という合い言葉は、被災者だけでなく国民全体へのこれからへのメッセージとなりました。

祝い事や観光旅行なども、これまでのようには何となく行い難く感じるこの頃ですが、被災者の方の「私たちはねたんだりしない。ふつうに生活してください。楽しんでください」という言葉に、逆に励まされると同時に、一時的に同情することだけですまされないサポートの大切さを感じさせられています。
そして被災地の方々が頑張っておられる様子や、全国の方々がそれぞれ出来ることで支援の努力をされていることが、毎日のようにマスメディアで紹介されています。

私もささやかな義援金を送ったり、普段飲む機会のない東北産のお酒を探してお遣い物にしましたが、その一つとして、こんな機会にこそ少し意識的に思い立って旅に出かけようかと、早速連休に実行しました。
場所はどこであれ、交流を通じて、各地の色々な文化や歴史への関心と知識が広がり、また経済的効果だけではない長い連帯感が生まれるのだと思います。

私が高松高校3年時の修学旅行は、夜行列車で高知の桂浜へ行ってくるだけのものでした。それは、修学旅行地として挙げられる所は、これからの時代いずれ訪ねる機会があるだろうという理由だったと理解しています。

私自身は仕事で各地を訪れる機会に比較的恵まれましたが、行きたいところへ行くべき時期に訪ねられるとは限らず、それを補えたのは定年退職以降でした。
体力が許さないこの頃は、同級生達が誘い合ってちょくちょく出かける外国旅行をうらやましいと思いつつ、国内の小旅行を続けています。行き先を予め調べたり、そのために体調を整えることは、他人事ではなく「頑張る(我を張る、どこまでも忍耐して努力する)」力の源にもなりましょう。
北東北から北海道の方言に「けっぱる」という言葉がありますが、会員の皆様には、本日の再会で得たエネルギーを活かせて、どうぞ明日から明るく、お元気でけっぱってください。