本年も東京玉翠会が盛大に開催されますことを心からお喜び申し上げます。
また、平素は、関西玉翠会の活動に対しましてご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。

東京王翠会の総会のテーマは「原点~あの日・あの時・あの場所で~」とお聞きしております。
関西王翠会の今年のテーマは「帰ろう!あのとき、あの場所に、あの人と」と決定されています。
東京と関西の総会が、ほぽ同じ内容のテーマで開催されることになります。其々のテーマ決定までの経過は知りませんが、何か因縁を感じます。両総会のテーマは、少しニュアンスは異なるかもしれませんが、楽しく原点を振り返ろうということだと思います。

原点とは、長さを測定する場合の基準となる点ですし、物事を考えるときの出発点です。
長さを元に戻すとすれば、青春時代に戻り当時を懐かしむことが、そして出発点とすれば、各人がそれぞれの道を歩み始めたときの決意や志を振り返ることになると思います。
いずれにしても振り返るのは今現在の時点からです。

古代ローマの詩人が「過ぎし目を楽しく想い起こすことは、人生を二度生きること」と謳っているそうです。
懐かしいと感じる人は、今が幸せだと思える人だと思います。永い母校の歴史から見れば、我が国に不幸な時代もありましたから、大変な不幸を経験されたことを想い起こす方もあるでしょう。しかし、それを乗り越え、今の自分がありますから、その苦労も懐かしさに変わっているのではないでしょうか。

仏教に刹那という言葉があります。
これは極めて短い時間である瞬間を表しており、人の一生は一瞬一瞬の連なりであると教えています。従って自分の人生を大切と思うならば、瞬間ごとの現在を大切にする、即ち「今在るを大切にする」ことを説いています。
瞬間は自分の上に蓄積されており、自分の生きた過去は消滅したのではなく、今ここに在ります。

原点を振り返ることは「最も大切な今」を自分なりにどのように捉えるかを考えさせてくれるでしょう。
そしてその振り返り方はあくまで楽しくでなければなりません。
同窓会は正に原点に帰る場だと思います。ご出席の皆様が語らいの中であの頃を懐かしいと感じ、今在る自分が幸せだと思える場であり、明日からへの歩みにエネルギーを与えてくれる場となることを願っている次第です。

関西玉翠会総会は、本年は昭和53年卒の方々が幹事となり、10月3日JR大阪駅に隣接する「ホテルグランヴィア大阪」で開催の予定です。

最後になりましたが、東京玉翠会の益々のご発展と、会員の皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

関西玉翠会会長
樋口 順一(昭和34年卒)